せいたかのっぽの備忘録

自分の好きなことを残していこうと思います。主にボドゲ

ブラス:ランカシャー〜協力、競合しながら産業革命時代を生き抜く傑作〜【ルール・レビュー】

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こんばんは、せいたかです。今回は産業革命がテーマのブラス:ランカシャーを紹介します。ルールが多いので特徴的な部分のみを紹介しようと思います。また、ブラスのややこしい・間違えやすいルールをまとめてみました。

seitakanoppomemo.hatenablog.com

ゲーム概要

産業革命時代がテーマの重ゲー

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プレイヤーは産業時代の実業家として運河や鉄道を敷設したり、紡績場、炭鉱や港など様々な産業施設を建設して影響力(勝利点)を高めることを目指します

ちなみに先日やった時はある程度ゲーム慣れしたメンバーでインスト30分プレイ2時間くらいかかりましたので比較的重めのゲームだと思います。

運河の時代から鉄道の時代への移り変わりがある

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このゲームは2つの時代を行います運河の時代から鉄道の時代へ行く際、運河の時代の産物は殆どが時代遅れのものとなり、マップから消えます。しかし、運河の時代でもレベルの高い産業士施設は鉄道の時代でも生き残り活躍できます。

そのため、鉄道の時代で無くなってしまうが運河の時代でしっかり稼ぐのか、時間がかかる代わりに長く活躍できるようレベルの高い施設の建築を目指すのかと言った時代の移り変わりをめぐるプレイが面白いです。

資金繰りがシビア

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このゲーム資金がかなりカツカツです。ですが安心してください。借金ができます。笑

この借金システムが重要で、借金をすると毎ラウンド貰えた収入のレベルを下げる必要があります。

今後もらえるお金を減らすのでローンみたいな感じですね。

そうすると一気にお金をもらう事ができて資金が潤沢になります。借金で増えた資産元でに減った収入よりも収入アップさせることを目指します。

協力と競合が融合したシステム

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通常のボードゲームは競っている他のプレイヤーは敵だと思いますが、ブラスはその敵と協力関係になったりします。

例えば、タイルを置く時に資源やお金が必要ですが、その資源を他のプレイヤーの建物から貰うことができます。しかもタダでです。

タダなのは損だから資源置きたくならないのではと思うかもしれませんが、資源を使われた方も得をします。

何が得かというと自分が建てた建物の資源が売り切れた時、その建物を裏向きにする事ができます。裏向きにできると収入が上がったり得点が貰えたりします。

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このように他プレイヤーの動向をみて需要がありそうな資源を生み出しておくというプレイングがそのプレイヤーと自分を伸ばす動きになるのです。

 

他にも協力要素があります。資源を使うにはその建物まで線路で繋がっている必要があります。この時資源を運ぶには他人の線路を使って移動させてもいいです。またもやタダでです。

このパターンで線路を使わせたプレイヤーが何を得するかと言うと最終的に得点が増えます。ラウンドの最後には自分が敷いた線路が繋いでいた都市が栄えていれば栄えているほどその線路の得点が上がります。

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そのため、よく使われそうな場所に線路を敷けると最終的に都市が栄えることに貢献してその線路の得点も高くすることができるのです。

この資源を使わせたり、線路を使わせたりと一見損に見えるような動きが最終的に自分の利益になります。

この他プレイヤーと持ちつ持たれつの関係をうまく築く事がブラスで勝利を掴む鍵となるのです。

ゲーム情報

アークライト(Arclight) ブラス:ランカシャー 完全日本語版

ゲーム名:ブラス ランカシャー

プレイ人数:2人~4人
プレイ時間:60-120分

おすすめ度:★★★★★(max5)

プレイ難易度:★★★★★(max5)

 おすすめ度プレイ難易度について

アークライト(Arclight) ブラス:ランカシャー 完全日本語版

アークライト(Arclight) ブラス:ランカシャー 完全日本語版

  • 発売日: 2019/11/28
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

勝利条件

2時代行った後、得点が一番高い人の勝ち

ターンの流れ

  • 各プレイヤーがターンを終える(1人2アクション)
  • 収入を得る

を繰り返します。

ターンに出来ること

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1アクションごとに手札を1枚使います。手札を2枚使った後に山札から2枚補充してターンは終わります。

ターンに出来ることは5つあります。

  1. 建築
  2. 敷設
  3. 開発
  4. 売却
  5. 借金

です。それぞれをざっくり紹介します。ちなみにカードの中身が関係するアクションは建築のみでそれ以外は何のカードを捨てるかは関係ありません。

1.建築

自分のボードにある建物を建築します。

建築場所の制限

カードには大きく2つあります。それぞれ建築できる建物が変わります。また都市ごとに建物の種類が書かれており、その都市にはその建物しか置くことはできません。

  • 都市カード

都市カードを捨てた場合、その都市に建物を置けます。

  • 産業カード

建物の種類が書かれているカードです。この種類の建物を建てることができますが、自分のタイルが隣接している都市にしか建てることができません。(鉄道の時代では自分が建物を置いている都市にも置けます。)

資源の消費について

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石炭を資源に使う際に建物を建てる場所が石炭がある場所とつながっている必要があります。この時他人のタイルで繋がっていても大丈夫です。必要な石炭とそれをそこまで運ぶルートがあれば使えるイメージです。

2.敷設

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運輸タイルを置きます。時代や置く本数によってコストが変わります。

※1アクションで置けるのは運河時代は1本、鉄道時代は2本までです。

3.開発

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自分の個人ボードの建物のレベルを上げます。2枚までタイルを捨てることができます。捨てたい種類の建物のレベルが1番低いものを捨てれます。

4.売却

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自分の紡績場から商品を売却します。これをやるには港や遠方市場に繋がっている必要があります。売却に成功すると紡績場は裏返す事ができて収入アップと得点になります。この時港も裏返ります。

遠方市場への売却は少し特殊です。

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タイルをめくって書いてある数字だけトラックを下げます。その後紡績所を裏返します。追加でトラックに書いてある分収入が増えます。しかしトラックが進みすぎてしまって一番下まで行ってしまうと売却失敗です。紡績所は裏返せません。

5.借金

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借金をします。するには自分の収入トラックを下げる必要があります。下げた量に応じてお金が貰えます。

収入

ラウンドの終わりに収入トラックの分お金を貰えます。

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終了条件

鉄道の時代が終了したらゲームは終了する。

各時代の終了条件

山札がなくなり、全員手札を使い切ったら終了です。運河時代も鉄道時代も同じで、山札の枚数が若干違います。

得点計算

運河の時代も鉄道の時代も基本的には一緒です。下記得点が貰えます。

  1. 運輸タイルの点
  2. 建物の点
  3. 所持金の点(鉄道の終わりのみ)
1.運輸タイルの得点

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運輸タイルと隣接した都市のマークの分だけ得点が貰えます。

2.建物の点

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建物に書いてある点が貰えます。

3.所持金の点

所持金10金につい1点貰えます。

感想

強烈なインタラクションがいい-good

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このゲームは他プレイヤーとの絡みがかなりあるゲームです。単純に運輸タイルや建物タイルでの陣取りでの競合だけでなく、他プレイヤーの生産した石炭の消費や他プレイヤーの運輸タイルや港タイルの利用など他プレイヤーと一時的に協力する要素もあります。そのため他プレイヤーとの絡みはつきません。この協力と競合がうまく融合したシステムがこのゲームの最大の魅力だと思います。

時代の移り変わりが面白い-good

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このゲームの特徴的な要素の一つに時代の移り変わりがあると思います。運河の時代が終了すると大半のタイルはボードから無くなります。そのため運河の時代は収入や得点を稼ぎながら鉄道の時代のための下準備をする必要があります。この時代の移り変わりにより戦略性に深みが出ていると思います。

売却に運要素あり

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これは好みが分かれる点だと思います。売却アクションを遠方市場で行った場合、遠方市場タイルをめくります。めくったタイルに書かれている数字分ゲージが減るのですがこの時ゲージが0になった場合、失敗します。失敗すると売却したことにはならないためタイルを裏向きにすることができません。各時代の序盤にはゲージに余裕があるため失敗はないですが、中盤以降はめくったタイル次第で失敗するリスクがあります。そのため遠方市場に依存しすぎた戦略で行ってしまうとそこでロスが発生してしまいます。自分は気になりませんでしたが、一緒にやったメンバーにこの要素を気にしている人がいたため書いてみました。

値段が高い割にコンポーネントはシンプル-bad

値段が結構しますが、コマはキューブが20個くらいで残りは全てボードとタイルです。他のボードゲームと比べるとコンポーネントに対する価格のコスパは少しイマイチかも知れません。しかしゲーム自体は最高に面白いので買って損はないとは思います。

濃密なインタラクションがある傑作ゲーム

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石炭の消費や運輸タイルなどのシステムでうまくプレイヤー間の協力と競合を融合させたゲームだと思います。ルールも少し複雑な面もありますがターンにやることは4つの中から2アクション選ぶだけのため、思ったよりはプレイしやすいと思いますよ〜

インタラクションが強いので好みは出るとは思いますが、全員共通のボード内で上手いこと他プレイヤーを利用しつつ自分だけが抜け出そうとするバチバチした感じは病みつきになりますよ〜

黒ブラスの同時に発売した白ブラスについても今度紹介しようと思います。

では良きボドゲライフを〜

 追記:白黒の比較記事書きました。

seitakanoppomemo.hatenablog.com

 

ブラスのややこしい・間違えやすいルールはこちら

seitakanoppomemo.hatenablog.com