せいたかのっぽの備忘録

自分の好きなことを残していこうと思います。主にボドゲ

ヌースフィヨルド 〜コスパ最強のワーカープレイスメント〜【レビュー・ルール】

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どうも、せいたかです。ノルウェー北部のヌースフィヨルド という漁村が舞台のゲームです。漁業会社を運営してお金を1番稼ぐことを目指します。

このゲームは、共通ボードにワーカーを置いて効果を発動していくワーカープレイスメントというシステムのボードゲームです。プレイヤーは、船を購入し漁獲量をあげたり、木材を伐採し建物の材料にしたり、株の発行や購入をしたり、時には村の長老の力を借りたりしながら会社を発展させていきます。「アグリコラ 」や「カヴェルナ」など代表的な重量級ゲームと同じ作者の作品ということもあり、ゲームシステムは基本的に同じです。しかし、プレイ時間は重量級と比べて短めのコスパ最強のゲームです。

ゲーム情報

ヌースフィヨルド 日本語版

ゲーム名:ヌースフィヨルド 

プレイ人数:1人~5人
プレイ時間:20分×人数

おすすめ度:★★★★★(max5)

プレイ難易度:★★★★(max5)

 

ゲームの流れ(ルール)

個人ボード

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ゲームスタート時の個人ボードです。

上段は長老を雇うスペース、中段の左上は貯蓄、他のスペースは建物を建てるスペースになっています。右側の森林は「伐採」アクション等で取り除くことができます。そして下段は自分の漁獲量を表すトラックになっています。

共通ボード

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メインの共通ボードになります。このボードにワーカーを置いていきアクションを行なっていきます。アクションスペースの左上の数字はラウンドでおけるワーカー数です。プレイ人数によって変わります。他にも長老が並んでいるボードや建物が並んでいるボードもあります。

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特徴的なアクションは後ほど紹介します。

勝利条件

ゲーム終了時、資産が一番高かった人の勝ちです。

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資産は2種類あり、お金と☆です。お金は1金1点になります。☆は株や建物、船に書いてあり数字がそのまま点数になります。また、未発行株や個人ボードの空き地はマイナス点になります。

終了条件

7ラウンド行ったらゲームは終了です。

ラウンドの流れ

ラウンドは3つのフェーズで進みます。

1.漁フェイズ

自分の漁獲量に応じて魚を入手し分配します。

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漁獲量は個人ボードの漁獲トラックで表されます。自分の漁獲量は見えてる数字の一番小さい数字になります。造船すればするほど漁獲量は上がっていきます。写真の時の漁獲量は7になります。

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ボードに記載してある手順で魚を分配していきます。

①長老へ

雇っている長老カードそれぞれに1匹ずつ置く。長老に乗せた魚がその長老に乗せた3匹目の魚だった場合1つ貰えます。その時の残りの2匹は取り除きます。

②よそにある自社株へ

他プレイヤーが持ってる自社株1つにつき1匹を配当として渡す。

※ここで自分が他プレイヤーの株を持っていれば1株につき1匹そのプレイヤーから貰うことができます。

③自分が保有する自社株へ

自分が持っている自社株1つにつき1匹貰う。

④貯蓄へ

残りは貯蓄スペースに置く。

⑤共通ストックへ

余った魚は共通ストックにもどす。貯蓄の上限は8匹のため、超えた分は共通ストックに戻します。

 

このゲームの特徴的なフェイズです。株で得た魚以外は貯蓄スペースに行ってしまいます。貯蓄スペースにある資源は「貯蓄の取り崩し」のアクションをすれば貰うことができます。長老や他社株への支給が優先ですので、漁獲量が足りない場合は自分がもらえる魚や貯蓄へ行く魚が減ってしまいます。

2.労働フェイズ

1人合計3ワーカー持っています。自分の手番になったら1手番につき1ワーカーをアクションスペースに配置します。配置したアクションスペースに書いてある内容を行います。その後次のプレイヤーの手番になります。全員のワーカーがなくなるまで繰り返します。

3.帰宅フェイズ

全てのワーカーを回収します。その後スタートプレイヤーが次の人に変わります。

特徴的なシステム

このゲームで特徴的なシステムである株と長老と建物デッキについて紹介します。

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「株券の発行」のアクションで自分の漁業会社の株を発行することができます。株券を発行するとよい点が2つあります。

①2金貰える

②未発行株の減点がなくなる。

です。

このゲームはお金の入手方法がかなり限られています。そのため「株券の発行」は強力なアクションと言えます。しかし、デメリットもあります。それは漁フェイズに自分の株券を購入した人に配当を払わないといけない点です。それは逆に株を購入する側のメリットということにもなります。また、ゲーム終盤では株で魚をもらうメリットが薄れてきますが、後半ラウンドでは株の価格が安くなります。1株1点ついていますので、株の購入で得点を稼ぐことができます。ゲーム序盤から終盤まで株を発行する側にも購入側にもメリットがあり、株を巡った駆け引きがこのゲームの魅力の1つだと思います。

長老

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このゲームは、強力な効果をもつ長老を雇うことができます。長老の効果は基本的に基本ボードの効果より強く、さらに雇った長老は個人ボードに移動し自分専用のアクションとなります。しかし、漁フェイズのたびに雇った長老1人につき1匹分配しないといけません。また、使うには条件があります。それは、共通ボードの晩餐会ボードに魚がないと使えません。長老にワーカーを置いた後、晩餐会ボードの魚を1匹、その長老へ移すことで効果を使うことができます。

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写真の皿が書いてあるボードが晩餐会ボードです。「魚の給仕」のアクションで晩餐会ボードに魚を置くことができます。このアクションでは、置いた分だけお金をもらうことができます。「晩餐会ボードに魚を置いてお金は欲しいが、そうすると他プレイヤーに長老を使われてしまう」といった長老と魚の給仕を巡った駆け引きもこのゲームの魅力の1つです。

建物デッキ

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このゲームには建物デッキが3種類あります。その中から1つ選んでゲームを開始します。

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そしてゲーム開始時にそのデッキからランダムで15枚並べられます。ゲーム中に建物の補給等もありますが、デッキのカードを全て使用することはありません。そのため同じデッキを選んでも違った建物の組み合わせがあります。その上3デッキあり、それぞれに特徴がありますのでリプレイ性がかなり高いです。このリプレイ性の高さもこのゲームの魅力の1つだと思います。海外では拡張として新たなデッキも発売されているようです。

追記:日本で発売が決まりました。

感想

良いと思った点

・時間に対して満足感が高い点

・様々な戦略がある点

・リプレイ性が高い点

気になる点

・建物が毎回ランダムで把握に時間がかかる点

・漁獲フェーズに少しクセがある点

まとめ

大好きなゲームの1つです。時間の割に満足度が高くコスパがかなり良いゲームだと思っています。基本的なシステムは「アグリコラ 」や「カヴェルナ」など代表的な重量級ゲームと同じシステムです。ワーカーをスペースに配置し、建物の配置や資源の獲得等をしていきます。また、様々な戦略もあり、各戦略ごとの強さのバランスも良いです。素直に漁獲量重視作戦や建物特化作戦だけでなく、船を買わずに他社株で魚を確保する作戦も良いですし、はたまた漁業を捨てて林業特化作戦でも戦えます笑。そのため「アグリコラ 」や「カヴェルナ」等と同様な満足度は得られると思います。これらのゲームと比較してプレイ時間が短い要因として大きいのはワーカーの増員が無い点があると思います。増員要素がありませんのでゲームは3アクション7ラウンドの計21アクション固定です。加えて資源の数も魚と木と金しかないためプレイも比較的スッキリしています。そのため、「アグリコラ 」や「カヴェルナ」などの重量級ゲームに興味があるけどいきなり重たすぎるのは不安という方に重ゲーの入り口としてお勧めしたいです。また、重ゲー好きだけど時間的に短めが良い方やメンバー的にめちゃくちゃ複雑なのは無理という方にも重宝するゲームだと思います。とは言うもののルールは複雑な部類で建物等のテキストも多いのであくまで複雑なゲームに興味がないと難しいかもしれません。

では良きボドゲライフを〜